日本が持つ役割

現在、広がり始めた混乱を抜け出すうえで、「日本が世界のリーダーシップを取る事になる。」と言う話についてのリクエストを頂きましたので、今日はそれについて書いてみたいと思います。

その前に確認しておきたいのですが、確かに日本にはそうした役割があります。ただ、それを選民思想の様に歪めて受け取る事は誤りです。全ての存在にはそれぞれの役割があり、そこにはどれが上でどれが下と言う上下関係はありません。

これまでそうした話題をあまり取り上げずに来たのも、こうした話はどうしても、選民思想的な解釈によって受け取られる傾向を感じていたからです。

世界を身体に例えた時、頭が大切で足は大切ではないと言う事はないですよね。全ての存在がそれぞれの能力を十分に発揮した状態で調和した時、はじめて世界が活き活きと躍動し始める事になるのです。

本質はとても単純な話で、これまでの世界は分離・競争的な仕組みによって動いていました。つまり、相手を負かして自分が勝つ能力が重要であった訳です。

日本と言う国は、島国と言う環境によって周囲から距離を取った状態で、ほぼ単一民族によって１億人以上もの人々による文化を形成して来たのです。

例えば現在、インターネットによって世界と繋がったとは言っても、私たちと世界の間にはまだ言葉の壁が残されており、やはり日本と言う巨大コミュニティーには独自の価値観が維持されているのです。

グローバル化・国際化が叫ばれ出した頃には、「日本の治安の良さ」は世界から驚嘆されました。それは、相手を負かして勝つ事よりも、相手を思いやる事の大切さが教育として根付いている事が大きいと思います。

また、白黒はっきりしない日本人の意思表示は、あいまいで明瞭でないともされました。しかし、その「あいまいさ」が調和を生み出しているんですね。調和とはバランスなのです。

２つのどちらを取ってどちらを捨てるかではなく、その間でそれぞれの長所が活かされるバランス点を見つける方向に動くことが出来るのが日本的な価値観の良さなんですね。

勝ち負け・白黒をハッキリさせると言う文化の中には、調和が育ちにくいのです。

今日の動画でも取り上げたのですが、日本型の都市封鎖は、命令罰則による強制封鎖ではなく、要請による自主封鎖なんですね。

そもそも、法律からして強制封鎖を認めていないのです。それは、日本の国民性が自主的な察し合いによる調和を育んできたからこそ、選択する事の出来た事でもあるのです。各自が自分勝手に動けば、強制せざるを得なくなりますからね。

災害が起きた時の日本人のマナーと言うのは、世界的にも有名ですよね。それは、罰せられるからではなく、助け合って行こうと言う人々の思いによって生み出されている現実です。

それは、当たり前の様でありながら、世界的に見れば必ずしもそうではないんですね。

そうして、各自が「個と全体のバランス」を取る事で、社会を調和させて行くと言うあり方。それが、３次元の勝つか負けるかの競争社会から、４次元の調和社会へと向かって行く上で、１つの光明となる事はごく自然な事であると言えるのかも知れません。