2019/04/26

分離と一体

分離と一体と言うのは、それを物質的に解釈するのであれば簡単なのですが、スピリチュアル的にと言うと、抽象的でとたんに難しくなってしまいます。

何となくは分かる。みんなそう思う事でしょうが、その何となくと言う部分が曲者で、人それぞれにとても幅・奥行きに違いが出てくるんですね。

つまり、どう言う事かと言うと、少なくとも私達の経験している世界においては、どこまでそれを知ったつもりになっても、探究心を失わなければ必ず一歩先、更に一歩先の一体的・調和的なあり方が見えてくると言う事です。


例えば、おじいちゃん・おばあちゃんが、孫をかわいがっていつもたくさんのお菓子を与えていたとします。

その場と言う事で考えてみれば、祖父母と孫の間には一体感が生まれ、そうした意味においては一体的な関係であると言えます。

しかし、一方ではその子の父母に注意されると言う形で、分離が生み出されることになるかも知れません。

また、孫はお菓子ばかりを食べて過剰に太ってしまい、運動を嫌いゲームばかりするようになったとします。祖父母は孫に、たまには運動をしなさいと注意するかも知れませんし、父母に向かって育て方が悪いと言うかも知れません。いずれにしても、分離的な関係です。

つまりこの場合、1つの一体感を得るために、たくさんの分離を生み出しているんですね。

もちろんこれは1つの例であって、祖父母とはそう言うものだと言っている訳ではありません。

また、この祖父母が「悪い」と言っている訳でもありません。ただ、一体的・調和的な体験を上手く効率的に生み出せてはいないのかも知れないと言う事です。

こうしたあり方を、どのように変えていけば良いのかと考える時に、「2つの方向軸」が存在しており、それらをバランスよく広げて行く事が大切です。

1つは、その場に一体感を広げると言う事です。つまり、父母を悪者にして子供に好かれるのではなく、父母も上手く取り込んでより大きな一体感を生み出すのです。

さらに、孫の友達なども取り込んで、その一体感を広げて行く事も出来るでしょう。

もう1つは、時間軸上における一体感を広げて行くと言うことです。つまり、今さえ良ければそれで良いのではなく、孫の未来も考えて、現在と未来を一体的に捉えて行きます。

例えば、毎日、砂糖たっぷりのお菓子ではなく、新鮮なフルーツ等も取り込んで休日にみんなでちょっと手を加えてから食べるとか。

私達が人生を通じて学んでいるのは、実はそうして一体的・調和的な経験を生み出す方法なんですね。

お金儲けと言うのは、生きて行くための手段であって、生きていることの目的ではありません。少なくとも魂の視点からは。

そうした一体的調和を生み出す上では、社会に出た大人同士の関係であれば、お互いの「距離感」によってそれを上手くコントロールして行きます。

つまり、近くにいた方が一体感を生みやすい人と、遠くに離れた方が一体感を生みやすい人があるんですね。つまり、人にはそれぞれに相性があり、全ての人と均等に一体化する必要は無いのです。

常に比較競争を意識している人と、一体的調和の関係を求める人は、あまり近くにいすぎると上手く行きにくいんですね。

手の指と手の指が近くにある様に、手の指と足の指が近くにあろうとする事には無理があるんですね。そうした無理を感じる相手とは、程よいところまで離れて付き合っていくのがお互いのためなのです。

ただ、子供と保護者の関係では、そうばかりには行きませんが。

話を戻しますが、先に書いたように私達が「一体的な調和を広げる方向」には2つの要素があると言う事を、もう少し見てみましょう。

2つの要素とは、その場と言う空間内的な要素と、過去・現在・未来と言う繋がりの中での時間的な要素でしたね。

例えば、「徐々に肉食や洗剤の使用を控える」と言うのも、その場においては「動物や自然環境との一体感」に繋がりますし、時間軸で見ればさらに子供や孫達に豊かな自然を残したいと言う事にもなって行きます。

私たちは、「学問としてのスピリチュアルを学びきる」ために、この世界に来ている訳ではありません。

「実際に日常の中で、よりスピリチュアル的な存在になり続けて行く」事を目的・目標としているのです。

例えば、こうしてブログの記事を見て頂いたりしますよね。これは、先に書いた事に当てはめれば、学問的と言うか頭で学ぶと言う様な部分になります。

つまり、「下準備」の段階なんですね。ここの場で、より大きな目的が完結すると言うことはありません。あくまでも目的は、こうした気付きを通じて自分の中に見つけたあり方を、「日常の中に表現して行く」と言う事なのです。

もし、私達みんなが、そうしたあり方をこれまで以上に自分の中に加速的に成長させて行けたら、どうですか?そんな未来へ向かって進んで行きたいですよね。

そして、人類の歴史の中で、今始めてそうした未来が急速に近づいて来ているのです。

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